1 履 歴
フリガナ アカソ ナオユキ 性別


 - 年 - 月 - 日
氏名 赤楚 治之 男性
ローマ字
氏名
AKASO NAOYUKI
所属 外国語学部 職名 教授
HPアドレス  
メールアドレス  
最終学歴・学位  1996年8月
University of Wisconsin-Madison, Graduate School of Linguistics. MA
 系・分野・分科・細目表
 人文社会系
分野  人文学
分科  言語学
細目  英語学
フリーキーワード  生成文法 日英語比較統語論 英語学 日本語学

 2 学歴・学位
年月

事     項

1996年8月 University of Wisconsin-Madison, Graduate School of Linguistics. MA

 3 職 歴
年月

事     項

1989年4月 名古屋学院大学外国語学部講師
2005年4月 名古屋学院大学外国語学部学部長
2009年4月 名古屋学院大学大学院外国語学研究科長
2013年4月 名古屋学院大学大学院外国語学研究科英語学専攻(通信教育過程)主任
2014年4月 名古屋学院大学 学生部長
2017年4月 名古屋学院大学大学院外国語学研究科英語学専攻主任 並びに通信教育課程主任

 5 研究分野・内容
 5-1 研究分野・内容(記述式:350字以内)
 現在の生成文法(ミニマリストプログラム)の最大の特徴であると言える「Legibility Condition(読み取り条件)」は、一般的に、Logical Form並びにPhonological Formからのovert syntaxへの要請と規定されているものであるが、これまでのところ、作業仮説として意味合いが強く、その具体的内容に関して明らかになっていないのが現状である。さらに、LF/PF以外の部門との関係においてもそれが関わっている可能性がある。そこで、この条件を調べるために、日本語のScramblingを取り上げ、情報・談話部門と計算体系(狭義の文法)とのインターフェースで働く制約を研究している。
 5-2 研究課題(今後の展開・可能性を含む)(記述式:350字以内)
 5-3 研究助成等
区分 年月 名称・題目・機関名等
科学研究費補助金 2016年-月 Finiteness-headの特性の解明 (16K02785)
研究代表者:赤楚治之
 5-4 資格・特許等
年月 名称

 6 研究業績
 年度  種類  
種類 著書、学術論文、テーマ等の名称 単著、
共著等の別
発行又は
発表の年月
発行又は発表
雑誌等又は発表
学会等の名称
該当頁 PDF
著書 Studies in Formal Linguistics. Universal Patterns and Language Specific Parameters. 共著 2018年12月 Peter Lang (Berlin) 17-33  
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要旨:This book investigates the nature and consequences of universal principles in four major grammar components, i.e. syntax, phonology, morphology and semantics. Language specific parameters are held responsible for the attested variation. The papers collected in this book analyse selected phenomena from English, Hungarian, Irish, Italian, Japanese, and Polish, and shed new light on the interaction of universals and parameters in the structure of individual language systems. The generative framework is adopted as the theoretical model in the majority of contributions. S. Sugawa and I wrote Chapter 1: On Japanese Sluicing: Evidence for the Focus Movement & Deletion with Some Remarks on English and Polish.
参照リンク:https://www.amazon.co.jp/Studies-Formal-Linguistics-Parameters-Communication/dp/3631764669
著書 現代英語学へのアプローチ 共著 2014年1月 英宝社 154-177  
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要旨:第10章 英語の文構造(生成文法の観点から)を執筆。
参照リンク:
著書:編纂書 英語についての26章 共著 2013年1月  
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要旨:
参照リンク:
著書:編纂書 文法から英作文、そしてパラグラフライティングへ 単著 2013年1月  
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要旨:
参照リンク:
著書:編纂書 文法から攻める英作文のための15章 共著 2006年1月 英宝社 20-25 26-31 49-54 61-66 93-98  
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要旨:大学レベルにおいて必須と思われる文法項目を精選した基本事項に基づいて、英語の基礎的レベルから文法の復習を行い、自分の表現したいセンテンスが確実に書けるように配慮したライティングのテキストである。近年の英文法研究の成果を取り入れながらも、記憶に残るように、簡潔な説明を心がけたものであり、文法に苦手意識を持つ傾向が強い現在の学生に適したテキストであるだろう。(担当部分:3章 時間を点としてとらえる表現は?-時制-、4章 時間を線としてとらえる表現は?-相-、8章 動詞に味付けをほどこす表現は?-助動詞-、10章 仮定の表現は?-仮定法-、15章 英語特有の表現は?-名詞構文・無生物主語構文・There構文・it構文-)
参照リンク:
著書:編纂書 英検準1級・TOEICの総合演習 共著 1998年1月 英宝社 (57頁分担当) 総頁144頁  
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要旨:本書は、英検準1級レベルの学生を対象にし、英検とTOEICの出題傾向を徹底的に分析・研究した大学用テキストである。第1部解説編と第2部演習編とからなり、それぞれにおいて出題傾向を理解し、実際の問題と同じ形式の問題に取り組むことによって、英検準1級の合格とTOE ICのスコアアッフを目標にしている。(担当部分:第4、5、10、14、15、20章を担当、57ベージ分)
参照リンク:
著書:編纂書 英米文化常識百科事典 共著 1996年2月 南雲堂 項目執筆) 総頁445頁  
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要旨:本事典は、英米文化の理解を深めるために必要と思われる項目を選びだし、簡単に、速く、必要最低限の知識が得られるように編まれたものである。英米文化に関して常識とみなされる情報を適格に提供する。(担当部分:T~Wの項目執筆担当、約60ベージ分)
参照リンク:
著書:編纂書 現代の言語学 共著 1996年1月 金星堂 (24頁分担当) 総頁275頁  
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要旨:「文のかたち」では、変形生成文法の基礎となる考え方とそれに基づいた文法の枠組を提示する。その文法モデルは、英語をもとにしたものだが、他の言語との比較・対照の実例を挙げ、このモデルの有効性を示した.最近の動向についても平易な解説を施した。(担当部分:第6章「文のかたち」を担当、24ベージ分)
参照リンク:
著書:編纂書 表現のための発信型英作文 共著 1995年1月 金星堂 (27頁分担当) 総頁120頁  
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要旨:本書は、文レベルにおいて、自然な英文を書く能力を養成する目的で書かれた大学用のテキストである。「主語の構築」では、第1章「主語について」、第2章「無生物主語」、第3章「準動詞について」、第4章「There構文とIt構文」、第5章「注意すべき主語」に分けて、英語として自然な主語の設定の仕方を解説し、学習者が「生きた文法」として文法的な知識が身につくように豊富な問題を用意した。(担当部分:Part1(主語の構築)を担当、26ベージ分)
参照リンク:
著書:編纂書 現代の英語学 共著 1993年10月 金星堂  
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要旨:英語学のミニマルエッセンシャルズを教授することを目的にしている。「英語の語構造」では、形態論の基礎をできるだけ平易な説明で試みる、「英語の文構造(2)」では、変形生成文法の基本的な考え方を解説している。(担当部分:第4章「英語の語構造1、第6章「英語の文構造(2)」を担当、33ベージ分」
参照リンク:
著書:編纂書 新大学英文法 共著 1992年1月 金星堂  (44頁分担当) 総頁138頁  
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要旨:3部立ての英文法の大学用教科書であるが、従来のものとは異なり、新しい視点から英文法に光をあてたもので、「使える文法」を目指したものである。また、英語の運用力を向上させるだけでなく、英語学の知的好奇心をそそる内容となっている。(担当部分:第1、3、10、14、18、19章並びにAppendixを担当、43ベージ分)
参照リンク:
学術論文 日本語の数量詞遊離構文ー判断の揺れはなぜ起きるのかー 単著 2019年2月 『ことばとの対話』 同志社ことばの会記念論文集刊行会 69-78  
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要旨:本稿では、黒田・Haigの一般化の説明を試みたMiyagawa(1989)に対して出された反例から、コアデータの揺れが起きる要因を探り、Miyagawaの反例は、右端部が関与することで、提示文となっていることを明らかにした。提示文ではガ格主語が中立叙述としての解釈となることと、総記解釈のガ格主語とは異なり命題領域に留まることから、ガ格主語と数量詞が同じ命題領域になければならないという、broad localityに基づいた新しい認可条件制約を提案した。その上で、コアデータの揺れはガ格主語の解釈の揺れに起因することを論じた。
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学術論文 Finiteness と Fin 主要部の名詞性を巡って 単著 2018年12月 主流 80号 (同志社大学英文学会) 25-54  
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要旨:普遍的な定義が難しいfinitenessは、近年のカートグラフィー研究によってCP領域の最下位に位置する主要部であるとされ、ヨーロッパ言語においては主語要件との関連からFin主要部は名詞性を有することが論じられた。Fin主要部が持つ名詞性は、日本語においても、終助詞の分析によって示すことができるとEndo(2007)が指摘している。本稿では、Endoがその分析のために扱った言語事実 (否定のスコープ)は、UG的な観点に立たずとも、日本語のもつ特性(ガ格主語の位置と右端部表現との関係)から説明できることを示した。Endoのいうfamiliarityを示す終助詞には、付加する命題を提示文とする機能があり、それによりガ格名詞が中立叙述として元位置 (否定のスコープ内)に残り、Endoが示すようなデータとなることを論じた。
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学術論文 「使役交替」研究の進展―Rappaport Hovav(2014)を中心に― 単著 2017年10月 名古屋学院大学論集 言語・文化篇 第29巻 第1号 9-27  
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要旨: 「使役交替」の研究は90年代において,語彙概念意味論の興隆とともに大きな進展を見せた。しかしながら,それは,同時に,Pustejovsky(1995)の生成語彙論やJackendoff(1997,2002)等の研究によって,交替のメカニズムを語彙の意味だけに限定することへの問題点が浮き彫りにされることとなった。2000年代からの研究はそこで明らかにされた問題点をどう克服するか,また克服するためにどのようなアプローチが有効かを探る方向へと,研究が進んできたと言える。そのような研究の流れのなかで,本稿では,交替のメカニズムにおける文脈情報の重要性を説くRappaport Hovav(2014)を取り上げ,どのように90年代の問題点が克服されるのかを確認し,その上で,今後の課題についての考察を行う。
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学術論文 「かけ」名詞構文に現れる「が・の」交替についての試論 共著 2016年10月 名古屋学院大学論集 社会科学篇 第53巻 第2号 1-12  
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要旨: これまで日本語生成文法で精力的に行われてきた「が・の」交替の研究は,そのほとんどが連体節に見られるものを対象にしてきた。本論文では,「かけ」名詞構文として知られる名詞化構文で観察される「が・の」交替現象を取り上げ,主格の認可方法,並びにこの構文の構造について考察することを目的とする。連体節における「が・の」交替の場合は属格の認可方法が問題になるのに対し,この構文の場合は主格のそれが問題となることを踏まえた上で,この主格は名詞述語文と同じメカニズムによって認可されることを論じる。また,この構文は,岸本(2000)で示されているように,被修飾名詞に係る属格の構造を持つと考えられる一方で,属格名詞が主語として機能する位置にある構造もありうることを示すことになる。
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学術論文 Indeterminate Pronoun Binding and Bound Pronouns in Japanese Raising-to-Object Construction: Agree-based Construal 単著 2015年12月 English Linguistics 32-2 261-292  
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要旨:Japanese has a counterpart of the English Exceptional Case-marking (ECM) construction: Raising-to-Object construction (RTO). Over the years various analyses and proposals have been presented for it, reflecting the theoretical frameworks of the times.  But there still remain some unsolved/challenging phenomena, which may serve as tests for the principles of UG. Especially when coupled with Indeterminate Pronoun Binding and bound pronoun interpretation, the RTO shows peculiar behavior which has challenged previous analyses.  The aim of this paper is to show that these peculiarities can be straightforwardly explained, given Reuland’s (2001, 2011) Agree-based Construal under the assumption that the φ-feature agreement is involved in Japanese Case licensing.
参照リンク:
学術論文 On the Subject Position of Unaccusatives in Japanese: The Kageyama-Kishimoto Puzzle 単著 2015年7月 MIT Working Papers in Linguistics 76(Proceedings of the 7th Workshop on Altaic Formal Linguistics (WAFL7)) 319-325  
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要旨:Kageyama (1993) and Kishimoto (2009) presented different views on the subject position of unaccusative verbs in Japanese: the former claimed that it should stay within VP/weak vP, while the latter held that it should be at Spec-TP. This issue, referred to here as the Kageyama-Kishimoto Puzzle (KKP), remains unsettled still now. The aim of this study is to solve the KKP, demonstrating that the disharmony arises from differences in the clausal structures they used as evidence.
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学術論文 素性継承によるC不可視化と「が・の」交替:Fin-headを巡って 単著 2015年3月 名古屋学院大学論集 言語・文化篇 第26巻 第2号 17-31  
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要旨: 本稿の目的は,Chomsky(2008)で提案された素性継承によって,上位の主要部H1の素性がすべてH2に継承されるならば,その派生段階以降,H1は統語計算では見えなく(invisible)なるという「素性継承によるC不可視化」を提案することにある。この仮説によれば,finiteness素性がT-headに継承されると,それらの素性はTにおいて具現化されることになり,その結果,Finiteness主要部(Fin-head)はinvisibleになり,labelingに関与できなくなる。日本語の属格主語連体節においてHiraiwa(2001)が主張する,Fin-headが属格の認可に関与するという分析は,実は,この「素性継承によるC不可視化」によって,phaseを構成するCP(FocPだと考えられる)がなくなり,主要部名詞のD素性から属格が与えられるということになる。この分析の帰結として,本稿では英語のECM構文に見られる問題点が解消されること,ならびに,Akaso and Haraguchi(2011)の反例が本稿での提案の下で,反例ではなくなることを論じる。
キーワード:定性素性,素性継承,「が・の」交替
参照リンク:
学術論文 Genitive of Dependent Tense and Its Kin: PeculiarGenitive Subjects in Japanese 共著 2014年8月 2014 Comparative Syntax (Proceedings of the 16th Seoul International Conference on Generative Grammar: The Korean Generative Grammar Circle) 31-46  
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要旨: The aim of this paper is to provide supporting evidence for the Genitive of Dependent Tense which Miyagawa (2012) proposed in dealing with the peculiar genitive case occurring under some exceptional circumstances in Japanese. Miyagawa associated this Japanese Genitive to the genitive case which can be observed in negation in Slavic languages. Without other cases in Japanese, however, this peculiar Genitive case might be regarded as an idiosyncratic/sporadic/exceptional phenomenon. We argue that this peculiar case appears not only in a temporal adverbial clause headed by -toki ‘when’, but also in other cases when some conditions are met.
参照リンク:
学術論文 非対格主語の「が」格省略:影山(1993)vs. 高見・久野(2006) 単著 2013年10月 名古屋学院大学論集 言語・文化篇 第25巻 第1号 01-12  
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要旨: 日本語の非対格主語はD構造でもS構造でもVP内に留まったままであると主張した影山(1993)の重要な論拠のひとつである「が」格の省略がある。一方、機能主義的アプローチから、高見・久野らは、反例を示し、統語論的には説明できないことを主張している。本稿では、後者の提出した反例が言語直感に合致していることを認めた上で、議論の対象になっている構文に注目した。トピックの「は」の省略との混同を避けるために、影山は従属節の中で非対格自動詞が用いられるデータを採用して議論を組み立てたが、その場合、「の」や「こと」といったものを修飾するデータを扱っている。しかし、これらの主要名詞は名詞らしさが低く、その分、談話的な影響を受ける可能生が高く、それが機能主義者たちのような反例を招く結果になっているものと考えられる。それを承けて、普通名詞が主要名詞になるような文を用いて調査をしたところ、非対格動詞と非能格動詞の間に容認性の差が見られた。このことから、「が」格の省略には、談話的・プラグマティックな要因ではなく、統語的理由が関与していることを示していることがわかる。
参照リンク:
学術論文 On the Agent/Theme Assymetry in Japanese Nominative/Genitive Conversion 共著 2013年5月 MIT Working Papers in Linguistics 67 1-6  
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要旨:
参照リンク:http://mitwpl.mit.edu/catalog/mwpl67/
学術論文 日本語擬似モーダルの下位分類についての試論 単著 2013年3月 名古屋学院大学論集 言語・文化篇 第24巻 第2号  
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要旨:
参照リンク:
学術論文 On the Categorial Status of Japanese Relative Clauses 共著 2011年6月 English Linguistics 28-1 91-106  
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要旨:This paper claims that the syntactic category of Japanese relative clauses can be larger than TP. The fact that Focus Particles can be found within Japanese relative clauses shows that the licenser, Focus-head, should be located at the CP-zone, adopting Rizzi’s (1997, 2004) cartographic analysis, on the assumption that Focus Particles can be licensed in situ. However, not every relative clause is larger than TP. We will present new data on Nominative/Genitive Conversion, which lead to a generalization that Focus Particles cannot appear in Japanese relative clauses where genitive subjects are allowed. This can be explained straightforwardly if we assume that Focus Phrase is missing in this type of relative clause. We will try to explore the mechanism of the case alternation phenomenon, with the refinement of Saito’s (2004) dichotomy of T (declarative T and adnominal T).
参照リンク:
学術論文 AGAINST THE NON-RAISING ANALYSIS OF JAPANESE RAISING-TO-OBJECT 単著 2011年3月 名古屋学院大学論集 言語・文化篇 第22巻 第2号 1-15
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要旨: 本稿の目的は日本語における目的語繰上げ(Raising-to-Object)構文の目的語繰上げ分析に関して提出されたHiraiwa(2001)の反例について考察することである。Hiraiwaでは埋め込み文の要素が目的語(「を」格主語)よりも前に存在できる例を挙げ、目的語が埋め込み文内部に留まっていることを論じた。Hiraiwaの分析に対してTanaka(2002)が目的語繰上げ分析を擁護する議論を展開しているが、Hiraiwaの挙げた例に関しては文法性判断の違いとして処理している。そこで、本稿ではHiraiwaの例を容認する話者もいることからその例文そのものを再検討することにした。Hiraiwaが挙げた2つの例のうち一方は否定極性項目を用いることによって正しくないことを示すことができ、残りの1つに関しては、RTO構文と近い関係にある「小節」の影響を受けたものとして認識されている可能性があることを論じた。(英文)
参照リンク:
学術論文 The Overt V-raising to v in Japanese 単著 2009年10月 名古屋学院大学論集 言語・文化篇 Vol.21 No.1 1-11
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要旨:
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学術論文 統語的逆成 -日本語の受身文の場合― 単著 2008年10月 名古屋学院大学論集  
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要旨: 本論文では、Akaso(2001)で提案された統語的逆成(syntactic back-formation)の概念を用いて日本語の生成文法研究で見落とされてきたデータの説明を試みたものである。受動文の研究は生成文法では精力的に行われてきた領域であるが、これまで論じられてこなかったタイプの受動文が存在することを指摘する。その上で、その新しいタイプの受動文が、生成文法が研究対象とするsyntaxで派生されるのではなく、「構文」や「類推」といった認知言語学で扱われている概念が関わっている可能性を論じた。
参照リンク:
学術論文 Raising-to-Object in Japanese as Two Operations 単著 2008年3月 Doshisha Literature 1-28  
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要旨:本研究はKuno(1976)以来活発に議論されてきた日本語における上昇構文(主節目的語位置への上昇、以下RTO)に新たな分析を提案したものである。近年、否定極性表現「WHも ない」を用いてRTO構文の派生を捕らえようとする試みが、Ogawa(2007)等でなされているが、その分析の問題点を指摘し、従来ひとつの操作であるとされてきたRTOの派生が、顕在的統語部門でのT-to-Cへの移動とLFでのC-to-V移動の二つの操作からなると分析することで問題が解決することを論じる。前者により埋め込み文(CP)が弱フェーズとなり主節目的語位置への移動が可能になり、後者によって目的語位置に移動した「WHを」が主節動詞に組み込まれた「C-も」によって認可される。
参照リンク:
学術論文 擬似分裂文の焦点位置に現れるPRO不定詞節の範疇について 単著 2007年3月 名学大論集 言語・文化篇 18-2 33-44  
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要旨:本論文は、擬似分裂文の焦点位置に現れるPRO不定詞節の統語範疇について分析したものである。従来からその位置にはPRO不定詞節は、その分布特性からCPと分析されてきたが、吉本(2006)において、LandauのEC動詞の場合は、PRO不定詞節が来ると非文となることを指摘されている。なぜ、ECの場合、そのように文法性が落ちるのかを、Lasnik(2006)の考察を敷衍して、補文の主語が bound pronoun の時には、CP性が低下・弱化する現象(「Less than CP現象」と呼ぶ)が起きているためであることを論じた。LTCP現象は、問題となっている環境では起きるが、VP内に動詞の捕部としてPRO不定詞節が現れる場合には、動詞のRealisかIrrealisかの特性によって変わってくるものと考えられることを述べた。
参照リンク:
学術論文 連用形並列の前節における主要部Tに関する覚え書き 単著 2006年1月 名学大論集 社会科学篇 42-3 139-149  
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要旨:この小論では、連用形並列の前節には時制要素が見られないことと矛盾する現象が見られることを指摘したHirata(2005)の研究を紹介した後、さらにもうひとつの証拠として多重主語構文の例を挙げた。この矛盾を解消するために、Hirataが言及した可能性ではなく、三原(1997)が論じたように、連用形並列の前節には定形の時制指定があるということからPNT(Phonetically Null Tense)があるという分析の可能性を提案した。三原では主要部のTを明示的に示していないが、HirataやKoizumiの分析から、PNTがTに存在すると考えるほうが言語事実をよりうまく説明できることに論じた。
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学術論文 日本語における概数数量詞のQ-floatについて 単著 2005年9月 日本語文法 5巻2号 日本語文法学会 57-73  
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要旨:いわゆるQ-float(数量詞遊離)現象の研究においては、主に基数数量詞が取り扱つかわれてきたが、本稿では、これまで注目されてこなかった概数数量詞の遊離を取り上げ、記述的な観点からその生起環境が基数数量詞と異なることを指摘する。従来、概数数量詞は日本語特有の断定を避ける「ぼかし」表現と見なされる傾向にあったが、その遊離に関して、基数数量詞遊離の認可条件として提案されたMiyagawa(1989)の統語的条件が当てはまらないことが明らかにされる。両者が異なる理由として、概数数量詞の場合、数量的情報量が基数数量詞に比べて少なく、その分、動詞を強める副詞的な機能が高くなるためであるとする仮説を提案する。
参照リンク:
学術論文 PRO不定詞におけるT-to-C移動の条件に関する覚え書き 単著 2005年1月 名学大論集 社会科学篇 41-3 231-240  
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要旨:本研究ノートでは、赤楚(2004)で提案した、PROを主語にとるto不定詞節(以下、PRO不定詞)におけるT-to-C移動に関して、意味論的な制約が働く可能性があることを指摘したものである。PRO不定詞において、toがTの位置からCの位置に顕在的に移動している可能性を支持するデータを紹介した後、それがどのPRO不定詞にでも起きるものではなく、Pesetsky(1989)の指摘するIrrealis(非実現)の場合のみにあてはまることを論じた。しかしながら、動詞の補文にPRO不定詞がくる場合には、Realisの解釈をもつPRO不定詞でも、T-to-Cが起きているように見える。しかし、これはT-to-C移動が起きているのではなく、動詞の持つTheta-marking能力のためであることを指摘した。
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学術論文 「不定代名詞束縛の局所性について」 単著 2004年10月 名学大論集 言語・文化篇 16-1 41-52  
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要旨:本論文では、Tanaka(2002)がその妥当性を疑問視したHiraiwa(2002)のAgree操作による目的語繰り上げ随意分析を取り上げ、随時分析を採用しない場合の代案を考えた。Tanakaが擁護するKuno(1976)の目的語繰り上げ操作が顕在的統語部門で起こっているとすれば、Hiraiwaの随意分析のもとになる例に対して別の説明が必要となってくるが、その場合、これまで言及されることのなかった「も」による不定代名詞束縛の条件が浮かび上がってくることになる。Uchibori(2001)が取り上げた別の繰り上げ現象を用いて、その条件の妥当性を論じ、それが交差制約から導かれる可能性を示唆した。
参照リンク:
学術論文 「PROをとる不定詞節におけるT-to-C移動について」 単著 2004年6月 言語研究の接点―理論と記述―  英宝社 5-17  
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要旨:本論文は、CPのPROをとる不定詞節(以下、PRO不定詞)におけるCOMPはこれまで論じられてきたような空のCではなく、T-to-C移動によってTのtoがCに移動するという分析を提案した。この分析をとれば、これまで説明ができなかった「遊離数量詞・省略のパラドクス」と呼ぶ現象が統一的に扱えることを論じた。
参照リンク:
学術論文 非能格性診断テストとしての同族目的語構文について 単著 2004年1月 名学大論集人文・自然科学篇 40-2 19-26  
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要旨:この小論では、高見・久野(2002)が、その不備を指摘した「同族目的語構文に課せられる非能格性仮説」は、次のように改訂すれば、診断テストとして機能しうることを論じた。 「同族目的語構文に課せられる非能格性制約」(改訂版)   同族目的語構文には、非能格動詞のみ現れ、非対格動詞は現れない。1  ただし、その場合は、同族目的語を修飾する表現が最少(ひとつの原級の形容詞)である時に限る。(=最少修飾(Minimum Modification)条項)  高見・久野が主張するように、入念な修飾表現を用いることによって、彼らのいう「動作の明確なサブセット」が想起される(或いは想起しやすくなる)ので、非対格動詞でも同族目的語構文に使うことが可能となるという指摘は、説得力のあるものである。しかしながら、それは入念な修飾表現がそれを可能にしているわけで、そのような表現を取り去る場合には、完全とは言えないかもしれないが、かなりな程度まで、非能格動性の診断テストとして有効であることを論じた。
参照リンク:
学術論文 A Minimalist Approach to Japanese Potential Suffix (rar)e 単著 2003年12月 名学大研究年報 16 43-66  
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要旨:本論文は、Minimalistの観点に立ち、可能の形態素(rar)eがV-raisingを阻止していることを主張した研究である。より正確に言えば、可能の形態素(rar)eは、Vのgrammatical featuresがraisingして時制辞Tと結合するのを阻止するという新しい提案を行った。Agree以外にも従来のcovert phrasal movementの操作が必要であるというKishimotoの分析を基に、2つの操作の棲み分けについて考察を行い、V-raisingの有無がカギとなるという次のような仮説を提案した。 Agreeの適用条件        V to T raising Yes → Agree                  No→ Covert Phrasal Movement この仮説に従うなら、Nominative Objectのスコープに関するデータとMiyagawaのA-scramblingのデータから、可能の形態素によるV-raising阻止が明らかになることを論じた。さらに、可能の形態素(rar)eがV-raisingしてTと合体しているように見えるのは、それがFFやその他の素性を残したまま、音の素性だけが移動するPF移動である可能性を指摘した。
参照リンク:
学術論文 尾張方言の文末詞「がん」について 単著 2003年3月 名学大論集言語・文化篇 14-2 69-75  
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要旨: 本論文の目的は、名古屋・尾張方言の文末詞である「がん」についての文法的な考察を試みることにある。「がん」と、その近似的な表現であり、新方言として広く使われている「じゃん」並びに関西方言として西日本で使われている「やん」との生起環境に関する違いを論じ、関西方言の「がな」との比較を検討した。第1節で文末詞の概念を簡単に押さえ、類似表現の「じゃん」と「やん」について触れた後、第2節において、「がん」と相補分布の環境で現れる「だがん」を確認した。第3節で、「がん」と「だがん」の生起環境をさらに探るために用いる「素性による品詞分解」の分析の有効性を、英語の例を用いて確認した。第4節では、素性による分析の結果から「だがん」を再検討し、第5節で生起環境の点から「じゃん」「やん」との比較を行い、第6節で、大阪方言の「がな」との違いにも若干触れた。
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学術論文 Japanese Reduplicative Nominals and Q-Float 単著 2002年3月 名学大論集言語・文化篇 13-2 29-38  
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要旨:本発表は赤楚(2000)(「畳語名詞と基数数量詞の共起について」)の問題をさらに深く分析したものである。通常、基数数量詞と共起しないはずの畳語名詞が、共起する文がある。なぜ、そのような例外的に見える現象が可能となるかに対して、英語の転移修飾の分析を敷し、数量詞が遊離した文(Q-Float文)から、畳語名詞と基数数量詞が共起する文(non Q-Float文)が派生することによって生じることを論じた。その際、Q-Float文が基本型になることを、Ishii(1998)が着目した複数事象解釈によって説明できることを論じた。(英文)
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学術論文 On Syntactic Back-Formation: A Rough Idea 単著 2001年3月 名学大論集言語・文化篇 12-2 21-32  
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要旨:本論文は言語分析に必要であるかかわらず従来言及されることがなかった概念、「統語的逆成(Syntactic Back-Formation)」の確立を目論んだものである。この「統語的逆成」の概念を用いると、従来何の関係もなく、独立した現象であると考えられていたいくつかの言語現象を統一的に記述することが可能であることを〔1〕日本語の畳語名詞〔2〕英語のTransferred Epithetを用いて示した。(英文)
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学術論文 英語における数量詞遊離の研究:移動による派主,基底部生成,それとも? 単著 2001年3月 「主流」 同志社大学英文学会 62 41-56  
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要旨:本論文は、英語の数量詞遊離(Q-Float)の分布を、Chomsky(1995)の極小モデルを用いて説明を試みたものである。従来の研究は、移動派生か基底部派生かの二者選択という形で推し進められてきたが、極小モデルを採用することによって、第三の分析が可能となること、及びその方法が、それまでの分析の様々な問題点を克服することを論じた。この分析方法は、英語とは系統の異なるアラビア語のQ-Floatの分析と類似していることから、普遍文法的に支持されるものであることも論じた。
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学術論文 Why do English and Japanese differ as to Quantifier Float? 単著 2000年12月 名学大日本語学・日本語教育論集 7号 1-9  
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要旨:本論考は日英語の数量詞遊離(Q-Float)の可能性に見られる違いに対する説明を試みた研究である。Q-Floatは、日英語に見られる共通の統語操作であるが、英語の場合、普遍数量詞のみならず、存在数量詞や数詞なども、遊離することが可能である。この違いは、生成文法では、ひとつの謎とされてきたが、近年の認知言語学の研究知見を敷衍すると、説明が可能となる。生成文法と認知言語学の研究成果をすり合わせる形での説明は今後の言語研究のひとつの流れになるだろう。(英文)
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学術論文 存在数量詞と概数数量詞と数量詞遊離現象 単著 1999年12月 名学大日本語学・日本語教育論集 6 49-60  
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要旨:本稿の目的は日本語における存在数量詞(存在量化詞)の統語的な分布を数量詞遊離現象の観点から記述することである、日本語研究における「数量詞の研究」といえば、二つの本質的に異なる研究を連想させる一つは、作用域(スコープ)が関係する研究で、もう一つは、遊離(or連結)現象を扱う1数量詞遊離」の研究である。同じ「数量詞」という用語が用いられているが、日本語研究の場合、作用域の研究で取り扱う数量詞とは、主として「だれか」「だれも」「なにか」などの、いわゆる「量化詞」と呼ばれるものであり、QFで扱う数量詞とは、「5人」「3冊」「7個」といったNumeral Quantifier(NQ)であり、両者は区別されてきた。しかし、形態論的に眺めると、いくつかの存在数量詞(=存在量化詞)には、NQの特徴である分類詞を取り込んでいるものがある。そこで、そのような存在数量詞を、数量詞遊離現象の観点から眺め、NQとの類似点を明らかにした。さらに、存在数量詞と意味的或いは情報的に類似する概数の数量詞を取り上げて、その統語的な分布を調べた。
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学術論文 畳語名詞と基数数量詞の共起について 単著 1999年12月 『月刊言語』1月号 (大修館)第29巻No1 136-137  
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要旨:本論考は、畳語名詞の複数性について述べたものである。畳語名詞は、限られた語彙にしかその形があらわれないために、語彙的特性として見なされ、一部の例外を除いて、研究者の関心を引くことがなかった。国広(1980)は、基数数量詞+畳語名詞の名詞句は容認されないとしたが、本稿では、複数事象を表す文の中に置かれた場合、共起する例が見られることを指摘した。しかし、これを国広に対する例外ととらえるのではなく、数量詞遊離した形から派生したものととらえることを提案した。それは、本来修飾すべき語から離れて、形式上、他の語を修飾する語から離れて、形式上、他の語を修飾する「転移修飾」と類似の現象であることを指摘した。
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学術論文 主題表示の「って」に関する一考察 単著 1998年12月 名学大日本語学・日本語教育論集 5 99-115  
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要旨:本研究では、従来とり上げられることがなかった現代日本語(口語)の「って1という助詞を解明することが目的である,この助詞は、トピックマーカーとしての「は」の機能に、文全体に疑問の解釈を要求する特性(Q素性と呼ぶ)が加わったものであることが論じられている。「って」の生起条件が「は」と異なるのは、前者には後者のもつ「対照」の用法に欠けるためである。「って」が容認されるための、二つの条件(文頭条件とトビックヘの接近条件)を提案した。また、「って」の持つQ素性は、弱く、かつ個人によってもその「強さ」が異なり、それが文法性・容認性の違いに反映する現象も取り上げた。
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学術論文 比較統語論における主要部パラメータ理論の展開 一 C0-Parameter仮説と関係詞 一 単著 1998年3月 名学大外国語教育紀要 28 29-41  
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要旨:本論文は、word order variationを決定するのは語彙範晴ではなく、機能範田壽のhead-parameterである可鰹生を論じている。Head-parameterは統率・束縛(GB)理論において広く受け入れてきたが、90年代に入りChomsky理論が最小主義(Minimalist)の段階に移行すると、その存在意義が危ぶまれてきた。(それにとって代わるものとして、特定の機能範田壽の有無や素性の強弱によるVやDPの移動である。) その背後にあるのは、「語順の問題は、Syntaxの仕事ではなく、PFの仕事である」とする仮定である。語順の問題をsyntaxにかかる負担は減少すると思われたが、この仮説をとらなければならない必要性はない。そこで、本研究では「統語論からできるだけ語順に関する指定を外すが、語順の問題はsyntaxの仕事である」という立場をとり、機能範疇のhead-parameterとMinimalistのcase-checkingを採用することで、語順を処理する可能性を論じている。その可能性の有効性に関して、Complementizerの位置と関係節の位置の関連性を指摘した。GB時代のhead-parameterの問題を指摘する際に用いた、西アフリカ(マリ)のニジェール川流域で使われているソンガイ語のガオ方言のデータはかつて紹介されたことのない貴重なものであり、このことも本論文の成果のひとつと考えられる。
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学術論文 An Alternative Approach to the Naze-Nani Ordering: With Special Reference to the Asymmetry between Japanese and Korean Multiple Wh-Questions 単著 1998年3月 同志社大学英文学会         「Doshisya Literature」 No.41 89-118  
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要旨:本研究の目的は、ここ十数年来、日本語生成文法の分野で論じられてきた「*なぜ・なに」文の問題に対して、Kuno&Takami(1993)の分析を取り入れながら、日本語において、その順序を許容しない構造的理由を提案することと、過去の分析では処理できなかった韓国語のデータに対して、二層CP仮説を採用することで解決を試みることにある。 「*なぜ・なに」文が非文となることに対して、GB理論の枠組みでECPを用いた説明がなされてきたが1統率」の理念的・経験的な問題が表面化してきた90年代、他の方法によって「*なぜ・なに」文を説明することが求められている。Yanagida(1996)による統語的解決法にも、Kuno & Takamiの機能的解決法のもそれぞれ問題があることを指摘した後、Kuno & TakamiのS"-Wh Hypothesisの分析を、Barriers流の句構造(Wh移動の着地点はCP-Spec)に取り入れることによって、日本語における「*なぜ・なに」文に説明を試みた。同時に、韓国語では、日本語と句構造が異なり、いわば、Spec-CPにあたるWh移動の着地点が二つある(二層CP仮説)ために、「なぜ・なに」文が許容されることを論じた。
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学術論文 WHスコープ理論に関する日英語の対称性について 単著 1997年10月 「表現研究」66号 63-71  
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要旨:現象が説明できることを論じた。また、「~てしまう」の現象を用いてここでの分析が正しいことを裏付けた。第32回表現学会全国大会での口頭発表「数量詞遊離構文と非対格仮説をめぐって」を発展させたものである。(英文)本研究では、Miyagawa(1997)(名古屋学院大学(1997年5月30日)での講演)で提案されたWHスコープの理論の問題点(WHスコープの取り方は、英語には二つの方法があり、日本語には三つの方法がある。つまり、これらの二言語で方法の数が異なる。)を指摘し、日英語のどちらも(ひいてはどの言語にも)WHスコープ決定方法は二つしかないことを主張した。Miyagawaが日本語において三つあると主張したのは、特殊な疑問詞「なぜ」のためである。しかし、why・「なぜ」の疑問詞は他のwh語と異なるので、それらをWHスコープの決定方法から取り除くことができる。そうすれば、日本語でも二つの方法しかないことになる。英語では、索引(Attract)とLast Resortの二つで、日本語では、CoindexiationとLast Resortの二つということになる。このように、二つしか認めない理論のほうがconceptuallyにもempiricallyにも妥当であることを論じた。
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学術論文 Aspect Markers &Unaccusativity in Japanese 単著 1996年5月 University of Wisconsin-Madison 「University of Wisconsin Working Papers in Linguistics」 1-18  
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要旨:Perlmutter(1978)以降、いくつかの言語理論において、自動詞が二つのグループ(非対格自動詞と非能格自動詞)に分類されることが広く認められるようになった。この区分はヨーロソハの言語や能格型言語の分析を土台として出されたものであるが、日本語でもこの区分の有効性が検証されてきた。代表的な研究としては、Miyagawa(1989)が挙げられる。そのなかで、いわゆる数量詞遊離の現象が非対格と非能格を分類する際の重要なテストとなることが示されている。ところが、非能格と見なされる動詞でも、進行相となると数量詞遊離の現象がみられるようになるという報告が為されている。三原(1994)は、進行相の「~ている」を複合動詞と分析することで、GB理論的な説明を試みている。しかし、その分析をすれば、従来の枠組みとの整合性に問題を起こすことになる。また、片桐(1992)では、この構文の持つ機能に着目した代案が簡単に紹介されているが、それだけで日本語における非対格動詞の存在を否定してしまうのは、余りにも性急な結論といえる。本研究では、Hopper & Thompson(1980)を踏まえ、アスペクトと他動性の観点からデータを吟味することによって、従来主張されてきた統語構造的条件(相互C-コマンド条件)ではなく、より緩やかな意味的な条件を設定することで、その「例外的」現象が説明できることを論じた。また、「~てしまう」の現象を用いてここでの分析が正しいことを裏付けた。第32回表現学会全国大会での口頭発表「数量詞遊離構文と非対格仮説をめぐって」を発展させたものである。(英文)
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学術論文 A Note on Japanese (0)TAGAI Research : A Cognitive Approach Program 単著 1995年2月 同志社大学英文学会 「Working Papers in Linguistics (Special Graduate Number)」4 1-9  
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要旨:本論考では、Akaso&Herlofsky(1993)で指摘された言語事実(日本語のr(お)互い)の三つの機能とその局所性)に基づいて、生成文法的アプローチ(三つの1(お)互い)を同音異義語とするとらえ方)と認知文法的アプローチ(1(お)互い)が多義語であるとする捉え方)を比較・検討したものである。後者の分析をとる方が、言語学的により内容のある分析を導く可鰍生があることを論じた。(英文)
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学術論文 Psych-Verbs &Nominalization 単著 1994年4月 英宝社「ことばの樹海」(石黒昭博先生還暦記念論文集) 67-87  
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要旨:本研究の目的は、Grimshaw(1990)の名詞化の分析の不備を克服する解決策を提案することにある,Grimshawは、名詞化(Nominalization)を項構造が関与する操作と捉えた。しかし、彼女の枠組みにはPesetsky(1990)やKageyama(1992)が指摘したように、心理動詞(Psych-verbs)から派生される名詞は、(彼女の分析が予想する)結果名詞ではなく、複合事象名詞(complex event nominals)の特性を持つことができるという経験的な問題が存在する。そこでGrimshawの方向を維持しながら、指摘された反例をどのように処理するかに関して提案を行った。名詞化は項構造がその入力となるのではなく、統語的に投射されたD構造のVPの部分が名詞化への入力になるという提案である。その際、Nバーの姉妹関係には、一つだけの項が許されるという仮定をとることによって、経験格かTheme格かのどちらか一方のみが現れ、二つの同時に現れることができないという、心理動詞からの派生名詞特有の制約を説明することができることを論じた。(英文)
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学術論文 Reciprocals and Non-Clausemate Antecedents -(0)TAGAI and Each Other- 共著 1994年3月 名学大日本語学・日本語教育論集 1 102-116  
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要旨:英語のデータを中心に据えて開発された束縛輿論は、80年代後半から90年代初めにかけて、多くの言語で検証されるようになった。それに伴い、日本語での検証作業も多くの研究者によってなされ、英語とは対照・比較が行なわれてきた。しかし、相互代名詞と呼ばれてきた「(お)互い」に関しては、英語におけるeach otherとの関係から、その一側面しか記述されてこなかった本稿では、英語には見られない「お互い」の持つ特性を記述的な立場から明らかにすることが目的である伺タイトルで行なわれた日本英語学会での口頭発表を発展させたものである。(英文)(共同研究につき本人担当部分抽出不可能)
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学術論文 0n the Possibility of Non-Clausemate Antecedents for the Japanese Anaphor TAGAI 共著 1993年4月 名学大外国語学部論集 4-2 17-23  
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要旨:ハロフスキー教授との共同研究である本研究は、日本語の再帰代名詞と呼ばれてきた「(お)互い.の機能と分布を論じたものである。従来の研究では、英語のeach otherとの関連から、「(お)互い」の再帰代名詞としての用法だけに焦点が当てられ、そのlocally-boundの性格(clausemate antecedentを必ず持つという性質)だけが、議論の対象になっていた。本研究では、日本語の「(お)互い」には、その再帰代名詞としての機能以外に二つの別の機能(Respective用法とグループ用法)があり、その二つの機能で用いられる場合においては、locally-boundだけでなく、long-distanceの性質(non-clausemateのantecedentを持つ)もあることを指摘した。理論的には従来のanaphor研究の問題点を指摘するに留まっているにすぎないが、従来、日本語文法で見逃されてきた言語事実を記述したと言う点において、評価ある研究であるといえよう。(英文)(担当部分:共同研究につき本人担当部分抽出不可能)
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学術論文 付加のメカニズム ―目的節認可の諸条件― 単著 1992年2月 同志社大学英文学会「主流」第53号  137-151  
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要旨:本研究は、「目的」を表すto不定詞(畠1信司的用法)の名称で親しまれている付加現象を採り上げ、どのような条件で主文に結合されるのかを考察したものである。従来の伝統文法等で言及されてきた基本的な条件に加え、80年代に統率・束縛(GB)理論によって発掘された興味深い言語事実とそれに対して提案された二つの分析法の知見を採り入れながら、受動形態素(Passive Morpheme)に外項が転送されるとする考え方を支持する方向で、目的節付加のメカニズムを記述、整理することを試みた。
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学術論文 AGR and Case Theory 単著 1990年9月 同志社大学英文学会「DLS Working Papers in Linguistics(Special Grad late Number)」1 15-22  
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要旨:本稿は、Akaso(1990)で提案した、小節の分析に基づいて従来の生成文法では説明の出来なかった文法現象…主語として用いられる小節においてNPには目的格が付与されているという現象を解明しようと試みたものである。Agrには格付与能力があることを指摘している(英文)
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学術論文 A Remark on Small Clauses 単著 1990年3月 名学大外国語学部論集 創刊号 1-13  
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要旨:本稿は、生成文法の文献において未解決である小節のカテゴリー論に対して、新しい提案を試みたものである。Pollockは従来、単一の機能範疇と考えられてきたINFLをTPとAgrPに二分するという提案をしているが、この分析を採用すると小節がAgrPであることを、その統語論的な特徴から検証したものが本研究である。(英文)
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学術論文 後置属格構文の文法 単著 1989年5月 日本比較文化学会「比較文化研究」No12  
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要旨:本研究は、後置属格構文(以下PGS)の統語論的、意味論的な内部構造を探ってみるのがテーマである。PGS(NPlofNP2's)ではNP1の種類によって、摘出が可能かどうかが決まるということが初期の生成文法から指摘されてきたが、その事実を手がかりとし、PGSにはPGS解釈規則とreanalysisの2つの規則が関係していることを明らかにした。
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学術論文 Infinitival Indirect Questionに関して 単著 1988年3月 教育と研究(桃山学院高等学校)4号 167-176  
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要旨:現在、学会で注目をあびている、梶田優氏の提唱する動的文法理論の今後の一つの研究方向を示した論考である。具体例として、この理論に基づいたInfinitival Indirect Questionの派生的分析を取り上げた。基本モデルから派生構文が生成される際に受け継がれる情報と受け継がれない情報の二種類があるが、その背後には何か統一的な原理が存在するのかどうかを、動的文法の枠組みで発掘された種々のデータを通して調べる必要があることを指摘した。
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学術論文 On Concealed Questions 単著 1987年7月 比較文化研究(日本比較文化学会)N08   21-31  
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要旨:本稿は、Grimshawの潜伏疑問文の取り扱いを批判したものである,Grimshaw(1979)は、この構文が正しく解釈されるためには、統語論的下位範田壽化規則と意味論的選択が独立して働く必要があると主張しているが、その分析は部分的に、生成文法における補文構造の処理に関する過度の一般化を前提としている。その前提の不備のために生じるいくつかの問題点を指摘し、潜伏疑問文の解釈は、統語論や意味論といった文法的レヴェル以外の所でも説明されなければならないことを論考した。(英文)
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学術論文 文法制約に対するSensitivityの研究 単著 1987年3月 教育と研究(桃山学院高等学校)3号 77-95  
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要旨:この研究は、母国語言諸の無鰍のなかで働く1制約」に対して、日本の学習者の反応程度を調査したものである.(1)複合名詞句制約、(2)等位構造制約、(3)左枝の制約、(4)文主語制約、(5)島内部の文名詞句制約、(6)Right Roof制約の6つの制約を取り上げた調査の対象は高校3年生とした,彼等の、制約に対する判断力は乏しく、学校文法が大きな基準として働いており、その判断力の芽生えは、個々の文法規則に対して個別的に形成されていくと思われる調査結果が得られた。
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学術論文 間接疑問文についての二・三の考察 単著 1987年1月 比較文化研究(日本比較文化学会)No.6  13-26  
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要旨:本稿は、生成文法の進展に伴って詳細な研究がなされてきた間接疑問文に関する三つの問題点をとりあげ、間接疑問文の持つ特性について若干の考察を試みたものである、1.間接疑問文と自由関係詞節の問題、2.生成文法における補文の分析の問題、3.潜在疑問文に関する問題である。これらの三つの問題点は、有機的に結びついているもので、これまでの研究により得られた理論を検討しつつ、さらに議論を深め、生成文法による分析の不備を指摘し、批判した。
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学術論文 On the Derivational Analysis of the Too and the Enough Constructions 単著 1986年3月 同志社大学(文学修士)  
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要旨:本論文は、英語におけるToo構文及びEnough構文の派生的生成についての、非瞬時的文法習得観に立脚した一考察である。上記の両構文が形容詞+不定詞の構文をモデルとして派生的に導き出される構文であり、このモデルから受け継いだ特性により、またはこのモデルからの特性の混交により、独自の統語論的、意味論的特徴を帯びることを明らかにすることを目的とする時間軸を文法理論に採り入れることによって従来の生成文法の思考法とは異なった角度から文法を分析した試みである。(英文)
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学術論文 An Explanation of the Similarity between Lexically- Derived and transformationally -Derived Tough Constructions 単著 1985年3月 Core(同志社大学英文学会)14号 74-95  
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要旨:Tough構文の生成に関しては、生成理論においては「語い規則による生成」ど変形規則による生成」のいずれかを適用する二つの可能性があるが、同一構文を生成する二つの異なる部門の規則の関係については、チョムスキー派の瞬時的文法習得観を土台とする理論では取り扱うことができないものがある。本稿では、時間軸の観点を採り入れた動的理論の枠組みを土台として、これらの二つの規則間にみられる派生関係を、心理言語学の実験報告を利用して考察した。(英文)
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口頭発表:研究発表 「も」と「か」による不定代名詞束縛 単独 2019年2月 同志社ことばの会 2018年年次大会  
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要旨:日本語の繰り上げ構文(あるいは例外的格付与構文)におけるDPが埋め込み節内にあるということが、Hiraiwaによって主張されてきた。その証拠は「も」の不定語の束縛であるが、Kishimoto(2018)は「も」による束縛は、LF-raisingによって影響をうけるので証拠とはなりえず、かわりに、LF-raisingしない「か」による不定語束縛がその証拠になるという。本発表では、「か」による束縛は十分な証拠とはないえないことを論じた。
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口頭発表:研究発表 Acceptability Judgments & Subject Positions in Japanese Q-float 単独 2018年10月 Workshop on Acceptability Judgments in Current Linguistic Theory  
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要旨:Acceptability, which belongs to the weak generative capacity, is known to be affected by many factors. So it is important to exclude those factors out of the system of syntax. But for Japanese, and other discourse-configurational languages, it is very difficult to do so because discourse factors are tightly woven into syntax. As a case study, I will pick up Japanese Quantifier-float, showing acceptability judgments on its core data are unstable/fluctuating. I will try to explain why they are so in this talk.
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口頭発表:研究発表 Japanese Quantifier-float and grammaticality judgments 単独 2018年6月 XXXIèmes Journées de Linguistique d’Asie Orientale  
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要旨:The paper concerns the unstable grammaticaity of the core data of Japanese Q-float. The instability of the Kuroda-Haig Generalization results from the difference of subject functions: EL and ND. When a sentence is “presentational,” the subject has the ND reading, and the KHG is not observed. On the other hand, when a sentence is in the non-presentational mode, its subject has the EL reading and the KHG is maintained. However, the distinction between these two functions cannot be absolute, which bring about the instability of the KHG.
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口頭発表:研究発表 Phases as the spell-out domain and Japanese Q-float 単独 2018年3月 Current Issues in Comparative Syntax: Past, Present, and Future (National University of Singapore)  
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要旨:It has been standardly assumed that what is sent to the CI-interface is a phase-complement, but Bošković (2016) proposes the phasal spell-out against the standard assumption. This work gives a piece of supporting evidence for the phasal spell-out, by making use of a new proposal for behaviors of Japanese Q-float. Re-examining counter-examples against Miyagawa’s (1989) syntactic approach, we will present a new analysis to explain these cases, as well as the core data of Miyagawa’s analysis, which reveals that a subject DP and its associated numeral quantifiers (NQs) should be within the same domain when they are interpreted at the CI-interface. This means that not only the complement of vP, but also the subject in spec, vP must be sent to the CI-interface at the same time. If our analysis is on the right track, it can support Bošković’s proposal of the phasal spell-out.
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口頭発表:研究発表 日本語遊離数量詞の認可条件:カートグラフィーからの再考 単独 2018年2月 同志社ことばの会 2017年度年次大会  
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要旨:日本語の数量詞遊離構文は一筋縄では行かない構文として知られている。これまでMiyagawa(1989)の統語論的アプローチを皮切りにそれに対する反例から、機能文法や意味論などからのアプローチが提案されてきた。本発表では、Miyagawa(1989)も相互C統御条件の例外として報告されてきた事例をカートグラフィー分析の観点から眺めることによって、それらの例外に共通する右端部の活性化、並びにそれにともなう主語の位置を明らかにし、Phasal spell-outの提案を採用することで、これまでとは違う切り口からこの現象の説明を試みた。
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口頭発表:研究発表 Focus-head & Nominative case in Japanese 単独 2017年2月 北海道理論言語学研究会  
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要旨:本発表は、日本語におけるFocus主要部と主格認可の問題を論じたものである。英語のような一致言語とは異なり、日本語のような非一致言語がどのようなメカニズムで格認可を行うのかについて、考察したものである。従来は時制句(TP)の主要部Tenseが主格を与えると漠然と考えられてきたが、本稿では「が・の」交替の事実やScramblingの考察から、Foc主要部が主格を認可することを主張した。なお、取り上げるFocusをIndentificational Focusに絞ることで、中立叙述の「が」格を分析対象から外した。
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口頭発表:研究発表 On Japanese sluicing: Evidence for the focus movement and deletion with some notes on English and Polish 共同 2016年10月 Linguistics Beyond and Within 2016  
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要旨:This paper has claimed that Japanese Sluicing consists of two operations: Focus movement and FinP deletion, providing two pieces of supporting evidence: the Kara-clause & the SIKA-NPI. We have also suggested that Polish has two types of sluicing: English type of Wh-Sluicing and Japanese type of Focus-Sluicing. We hope that this preliminary/tentative contrastive research will lead to more serious/deep comparative studies and contribute to interesting field in generative syntax.
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口頭発表:研究発表 On Nominative in Japanese: Focus as a case-licenser 共同 2016年6月 9th Days of Swiss Linguistics  
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要旨: Japanese is known to be a language which lacks φ-feature agreement. It is still not clear how to deal with case licensing mechanism in agreement-LESS languages like Japanese. Showing that Focus-head in the CP-periphery has significant bearing upon nominative case, we claim that Japanese Nominative is licensed by Foc-head.
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口頭発表:研究発表 Focus-head as a Case-licenser: Japanese Nominative Case 単独 2016年4月 Workshop in General Linguistics 13 UW-Madison Linguistics Student Organization  
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要旨: In current minimalist theorizing case is regarded as a reflex of φ-feature agreement, but it is still not clear how to deal with agreement-LESS languages like Japanese. Detail investigation on Japanese, however, reveals that Focus-head in the CP-periphery has significant bearing upon nominative case. Our goal is to claim that Japanese Nominative is licensed by Foc0, contra the obstinate hypothesis of Licensing by T-head and Baker’s (2015) dependent case assignment.
参照リンク:
口頭発表:研究発表 数量詞遊離と「のだ」 単独 2016年2月 同志社ことばの会  
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要旨:日本語数量詞遊離現象は、蓄積されたデータをもとに、Haig・黒田の一般化が明らかになった。これを承け、Miyagawa (1989)は「相互C統御条件」を用いて、一般化を説明する統語論的アプローチを提唱した。そのあと90年代に入って、主に機能主義研究者から反例が示された。本発表では、提案されてきた反例を吟味すると、談話的要素が関与していることを明らかにし、RizziらのCCartographyによる分析を用いることによって、それらの反例は、実は、統語論的に説明できるものがあることを論じた。
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口頭発表:研究発表 Japanese Reduplicative Numeral Quantifiers 単独 2015年9月 Societas Linguistica Europaea 48th Annual Meeting at Leiden  
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要旨:Research of numeral quantifiers (NQs) has been advanced in Japanese linguistics for decades (Harada (1976), Miyagawa (1989), etc.), but there still remain mysteries uncovered in this field. The aim of this paper is to explore the syntactic/semantic relationship between NQs and reduplicative nominals (RNs), which has never been investigated in the literature.
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口頭発表:研究発表 Bound pronouns and Agree‐based construal: Japanese ECM constructions 単独 2015年6月 Pronouns: Syntax, Semantics, Processing  
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要旨:This paper shows that the mysterious and problematic behavior which Japanese ECM construction exhibits when coupled with IPB and Bound Pronoun, can be explained by Reuland’s (2011) ABC. The standard binding mechanism, based on a direct c-command relation, fails to handle the case, for an indeterminate pronoun does not c-command the bound pronoun in the adjunct PP. On the other hand, Reuland’s binding system can successfully deal with it, for the lexical items (the bound pronoun and its antecedent (i.e., an indeterminate pronoun) are indirectly connected via φ-features on v/V. We argue that this is possible under the assumption that Japanese uses case-by-agreement in which φ-features are indispensable, as do agreement languages such as English.
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口頭発表:研究発表 Genitive of Dependent Tense and Its Kin: Peculiar Genitive Subjects in Japanese 共同 2014年8月 The 16th Seoul International Conference on Genrative Grammar
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要旨: The aim of this paper is to provide supporting evidence for the Genitive of Dependent Tense which Miyagawa (2012) proposed in dealing with the peculiar genitive case occurring under some exceptional circumstances in Japanese. Miyagawa associated this Japanese Genitive to the genitive case which can be observed in negation in Slavic languages. Without other cases in Japanese, however, this peculiar Genitive case might be regarded as an idiosyncratic/sporadic/exceptional phenomenon. We argue that this peculiar case appears not only in a temporal adverbial clause headed by -toki ‘when’, but also in other cases when some conditions are met.
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口頭発表:研究発表 On the Subject Position of Unaccusatives in Japanese: the Kageyama-Kishimoto Puzzle 単独 2013年8月 Workshop on Altaic Formal Linguistics 9
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要旨:
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口頭発表:研究発表 On Nominative Licensing 単独 2013年2月 同志社ことばの会  
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要旨:本発表では、日本語においては、弱小動詞(weak little v )もしくはAspect([+STATIVE])が 主格(「が」格)を認可できることを論じた。これまでの日本語生成文法では80年代後半に提案された「時制句の主要部であるTが主格を与える」という仮説が標準的なものとして認められてきた。最近のMinimalistではChomsky(2008)がCからTへの素性継承によって主格が認可されるという仮説が出しているが、日本語のデータを見ると、必ずしもCが存在しなくとも主格が現れる現象が存在する。関係節内における、非対格主語や状態述語の主語がそれにあたる。よってが、これらの環境では「が」格を認可するのは弱小動詞やAspectであることがわかる。本発表の分析がただしければ影山(1993)とKishimoto(2009)における非対格主語の位置の違いを説明できることを論じた。
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口頭発表:研究発表 Genitive Subject Positions in Japanese 共同 2012年10月 Generative Initiatives in Syntactic Theory  
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要旨:In this talk we have seen from our previous research that pre-nominal clauses containing Genitive subject is devoid of FocP or CP. Because of this, neither Subject raising to Spec-TP nor scrambling can be observed in pre-nominal clauses with Genitive subject. This means that the NGC does not take place freely, I mean each case is realized according to its own structure. That is, the NGC is not a totally free alternation. But when it comes to unaccusative predicates, there is a possibility that the structures are identical for either nominative subject or genitive subject. That is, the NGC is a free alternation.
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口頭発表:研究発表 Criterial Freezing and Long-distance Scrambling to Post-subject Position 単独 2012年9月 Formal Approaches to Japanese Linguistics  
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要旨:This paper attempts to solve the problem of distinct grammaticality of long-distance scrambling (LDS) to post-subject position between out of finite clauses and out of non-finite clauses, in terms of focus licensing, without recourse to the A/A’ dichotomy.
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口頭発表:研究発表 On the Agent/Theme Asymmetry in Japanese Nominative/Genitive Conversion 共同 2012年5月 8th Workshop on Altaic Formal Linguistics  
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要旨:Akaso&Haraguchi(2010, 2011a, 2011b) dealt with only Relative Clauses, putting aside Gapless Clauses, in their research on NGC, in which they proposed that the syntactic categories of Japanese prenominal clauses are of two types: Focus Phrase (FocP) for those containing Nom-subj., and TP for those containing Gen-subj.. The reason to exclude GCs from the proposal was that there are some cases of GCs against the generalizations which A&H drew: (I) Focus Particles and Genitive subjects cannot appear simultaneously, and (II) VP adverbials cannot precede Genitive subject. In this paper, examining carefully prenominal clauses in GCs, we have found the real distinction to be considered is not between RCs and GCs, but between the thematic roles of subjects: Agent and Theme. When the subject is Agent, our generalizations can be applied to GCs, and when it is Theme, they cannot. We have called this ‘the Agent/Theme Asymmetry’. Assuming that a focus-licenser is located above VP, coupled with analyzing syntactic behaviors of VP adverbials, we have reached a conclusion that our proposal is effective not only for RCs, but also for GCs. That is, it is effective for prenominal clauses in general.
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口頭発表:研究発表 A note on the category of Korean relative clauses, with reference to Japanese 単独 2012年2月 同志社ことばの会  
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要旨: 本研究は、Akaso&Haraguchi(2010)で提案された日本語関係節の構造を、スコープ(subject-negation)解釈の先行研究を参考にしてさらに分析を深め、その構造(「TPの上二つ屋根」の仮説)が日本語のみならず、韓国語にも当てはまることを論じたものである。主文におけるスコープ解釈を分析したMiyagawa(2001)を批判するSaito(2009)は、TPよりもさらに上位に主語が移動することを提案した。Saitoの指摘した事実が、関係節においても観察されることを見た上で、それがAkaso&Haraguchi(2010)で提案されたFocPの指定部とは、別の句(XP)の指定部にあることを、「が」格主語の「総記」解釈の有無によって示した。このことは、「だけ」などのいわゆる「取り立て詞(Focus Particles)が付く主語を超える副詞のかき混ぜ(scrambling)は非文法的となるという言語事実からも支持できることを示した。その上で、日本語関係節に見られる「TPの上二つ屋根(XP+FocP)」分析が韓国語にも当てはまることを示すデータを挙げ、この分析が日韓両語において有効であることを論じた。
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口頭発表:研究発表 「が・の」交替に見られるTheme主語とAgent主語の非対称に関して 共同 2011年11月 日本言語学会第143回大会  
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要旨:「が・の」交替に関して赤楚・原口 (2010) で提案された構造は、RCのみであって、Gapless節には当てはまらないと考えてきた。本発表では、その例外の要因を詳しく見ることで、RCとGapless節という分類で分けてきたこと自体に問題があり、真の対立は、Agent主語/Theme主語の違い(「Agent/Theme非対称」)であることを確認した。その上で、VPの外側には、CP-zoneとは独立したFocP (= V-FocP) が存在するという提案をすることによって、赤楚・原口(2010, 2011b)の分析がGapless節をも含む連体節一般にあてはまることを論じた。
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口頭発表:研究発表 Adverbs and Nominaitive/Genitive Conversion in Japanese Relative Clauses 共同 2011年10月 南山大学言語学研究センター第38回コロキュアム  
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要旨:Nakai(1980)において指摘された「が・の交替」節における属格主語の左側に現れる副詞の問題をとりあげ、それがMiyagawa(2005)で提案されたfocus素性のCからTへの継承、赤楚・原口(2010)の関係節の統語範疇、ならびに副詞のscramblingを組み合わせることで解決されることを論じ、さらに赤楚・原口(2010)の統語範疇は関係節だけでなくGapless節にもあてはまることを論じた。
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口頭発表:研究発表 Adverbs and Nominative/Genitive Conversion in Japanese Relative Clauses 共同 2011年10月 The Minimalist Program: Quo Vadis? - Newborn, Reborn, or Stillborn?  
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要旨:Synopsis: One of the long-standing issues in Japanese generative grammar is the Case alternation known as Nominative/Genitive Conversion (NGC) which occurs in relative clauses (RCs), but not in main clauses, exemplified in (1). Nakai (1980) pointed out that genitive subjects are within RCs, with crucial data like (2) in which an adverb ‘kino (yesterday)’ appears at the left of the genitive subject ‘Taro-no (Taro-Gen)’. Because this kind of adverb is counted as a modifier of Tense (T), the genitive subject is considered to stay within the RC. However, more careful examination reveals that not every adverb can appear at the left of the genitive subject. The aim of this study is to show how this behavior of adverbs can be explained. We propose that it results from the interaction between adverb- scrambling and Miyagawa’s (2010) discourse-configurational analysis of scrambling, coupled with the difference of categorical status of relative clauses depending on Case of subjects.
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口頭発表:研究発表 副詞との共起性から見た日本語関係節における「が・の」交替 共著 2011年6月 日本言語学会142回大会  
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要旨: 日本語の関係節に見られる「が・の」交替が持つ複雑さのひとつにNakai (1980) が指摘した副詞の問題が挙げられる。(1) に見られるように、副詞が属格主語よりも左側に位置することが見られることから、属格主語が関係節内部に留まっていることを示す重要な証拠として取り上げられてきた。
(1) 昨日 太郎 が/の 食べた 料理
しかしながら、副詞によってはそのような分布を示さないものがあるということが、次のようなデータによって観察される。
(2) a. 筆で 太郎 が/*の 書いた 手紙
b. 裸のまま 太郎 が/*の 踊った ダンス
この事実は単に主語の格交替をとらえようとしてきたメカニズムではとらえきれない性質のものである。本発表では、このような副詞の分布は、属格主語を持つ関係節にはFocus Phraseがないとする赤楚&原口(2010)と、scramblingはCにあるfocusがTに継承されることによって誘発されるとするMiyagawa(2007)から、v によって認可される(2)のような副詞がscramblingできないことで導き出せることを論じる。
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口頭発表:研究発表 日本語における例外的格付与構文の研究:繰り上げ分析の反例を考える 単独 2011年2月 同志社ことばの会  
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要旨: 本発表は、日本語における例外的格付与(ECM)構文の繰り上げ分析にとって反例となるHiraiwa(2001)のデータを取り上げて、それが繰り上げ分析の真の反例にあたらないことを論じた。Hiraiwaのデータは、日本語学で言われる認識動詞構文の小節型であることを、「そう」代用を用いて示した。この型の認識動詞構文では、小節を構成する述部を修飾する語句がscramblingできることから、HiraiwaのデータはECM構文への反例にはならないと主張した。
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口頭発表:研究発表 名詞化構文に現れる「が・の」交替について 共同 2010年11月 日本言語学会141大会  
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要旨:日本語生成文法における「が・の」交替の研究は、ほとんどが名詞を修飾する連体節(prenominal sentential modifier)内で起きる現象を対象にしてきた。しかし次の(1)に示すように、ある種の名詞化構文(動詞由来名詞化構文)についても「が・の」交替に類似した現象が観察されうる。
(1) a. 学生 が/の 書きかけ の 論文  b. 父 が/の 飲みさし の ビール
本発表では、まず、この構文(少なくとも、名詞化の基体となる動詞の目的語にあたる項が被修飾部(主要名詞)を占める場合)における「が」格は、(2)のような叙述名詞(predicate nominal)を含む表現に見られる「が」格と認可方法が異なることを確認する。
(2)  小学生が主人公の物語
次に、名詞化構文における属格主語が、所有者解釈やアスペクト副詞との共起の観点から、連体句の内部に存在する可能性について論じる。さらに、この種の構文と、(3)のような対応する関係節の構文との比較を通して、この現象に対する理解を深めることになる。
(3) 学生が書きかけた論文
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口頭発表:研究発表 Japanese Relative Clauses: Larger Than TP 共同 2010年8月 GLOW-in-Aisa VIII  
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要旨:We proposed that the categorical status of Japanese RCs, formerly thought to be TPs, can be larger than TP, showing that some FPs can appear, which are to be licensed at the CP-zone. But not all the Japanese RCs are larger than TP. From the new data for NGC, we claimed that RCs with genitive subjects are TPs, for the conversion is not allowed when FPs appear in RCs. This can be explained straightforwardly if we assume that an intervening functional head (i.e. Focus) cannot allow the predicate of RC to be adn T which can assign only [+Gen].
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口頭発表:研究発表 日本語関係節の統語範疇に関して 共同 2010年6月 日本言語学会140回大会  
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要旨:本発表の目的は、日本語関係節の統語範疇をRizzi (1997)らのcartographyの観点から再考し、1) 主格主語を持つ関係節の統語範疇は、TPよりも大きい統語範疇であること、2)属格主語を持つ関係節はTPであることを主張することにある。提題の「は」は関係節内に現れないのに対し、対照の「は」やその他の取り立て詞は現れうるという事実は、cartographyの研究を敷衍すれば、関係節の統語範疇はTop PではなくFoc Pであることから説明される。しかし、「が・の」交替が観察される関係節では、次例が示すように、取り立て詞と属格主語は共起できないという制約が見られる。
「太郎だけ・ばかり・のみ が/*の 飲んだ 薬」
これは、この種の関係節がFoc Pを持たないTP節であることを示している。この二つの関係節の構造の違いからSaito(2004)を土台とした、新しい「が・の」交替の分析を提示することになる。
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口頭発表:研究発表 On Long-distance Scrambling to Post-subject Position 単独 2010年2月 同志社ことばの会  
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要旨:本発表ではこれまで日本語生成文法の懸案であった長距離スクランブリング(特に主節主語に後続する位置へのもの)を取り扱ったものである。この種のスクランブリングは定型節からと非定型節(「ように」節)からでは文法性が異なることが指摘されており、それらの違いについて、A/Aバー特性を用いた説明がなされてきた。しかし、その2分法自体に問題があり、かつ定型・非定型という区分にはおさまらないデータが存在することを指摘したうえで、それらが、Rizzi(1997)などで開発されてきたCPゾーンにおけるFocus head 並びにHoji(1985)のスクランブリング制約から、A/Aバーの概念なしに説明できることを主張した。
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口頭発表:研究発表 日本語に目的語上昇規則は存在しない 単著 2009年2月 同志社ことばの会  
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要旨:
 本発表では、日本語における目的語上昇(raising-to-object:RTO)構文の派生は、これまで論じられてきたような、この構文特有の特別な操作・規則が関与しているのではなく、UGの操作であるフェーズ不可侵条件(PIC)から導き出されるCP-edgeへの(格照合・付与のための)移動と日本語に見られるかき混ぜ(scrambling)の二つに分解できるものであることを論じた。これはRTOが2つの独立した操作から成立しているという点においてはHiraiwa(2005)のRTO2段階派生説と軌を一にするものであるが、Hiraiwaの分析には問題があることを指摘した上で、本研究の提案する分析の優位性を論じた。
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口頭発表:研究発表 Syntactic Back-Formation: Another Type of Japanese Passives 単独 2008年2月 同志社大学 『ことばの会』  
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要旨:本発表では、これまでの生成文法で見落とされてきた受身の現象を取り上げ、その派生の方法に関して試案を提示したものである。「に」直接受動文にはKuroda(1979)によって、主語に有性制限がかかることが知られている。しかし、その制限を受けない文が認められることを確認した上で、それが既存の「構文」をモデルしてanalogy(の一種で「統語的逆成」と呼ぶ操作)によって組み立てられた可能性があることを論じた。
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口頭発表:研究発表 Categories of Infinitival Clauses, Phase, and T-to-C Movement 単独 2007年2月 同志社ことばの会 同志社大学  
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要旨:本発表では、学校文法でいうところの、to不定詞の形容詞的用法の内の、同格を表す不定詞句の現象を扱った。先行研究から、その用法を持つのはIrrealisの意味を持つ不定詞句だけに限られ、Realisの不定詞にはこの用法がないことが知れれている。その違いを、赤楚(2004)で提案したPRO不定詞節に見られるT-to-C移動を仮定した上で、Minimalistで提唱されているフェーズ(Phase)の概念を用いることによって説明することができることを論じた。
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口頭発表:研究発表 Floating Quantifiers & Reduplicated Nominals in Japanese 単独 2001年2月 同志社大学言語学会 2000年度年次大会  
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要旨:本発表は赤楚(2000)(「畳語名詞と基数数量詞の共起について」)の問題をさらに深く分析したものである。通常、基数数量詞と共起しないはずの畳語名詞が、共起する文がある。なぜ、そのような例外的に見える現象が可能となるかに対して、英語の転移修飾の分析を敷し、数量詞が遊離した文(Q-Float文)から、畳語名詞と基数数量詞が共起する文(non Q-Float文)が派生することによって生じることを論じた。その際、Q-Float文が基本型になることを、Ishii(1998)が着目した複数事象解釈によって説明できることを論じた。(英文)
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口頭発表:研究発表 存在数量詞と概数数量詞と数量詞遊離現象 単独 1999年12月 同志社大学言語大会夏季研究会  
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要旨:本発表は、作用域の研究で扱われてきた数量詞のうち、存在数量詞(=存在量化詞)と呼ばれているものを、数量詞遊離現象の観点から眺めることによって、NQの数量詞遊離現象に見られる類似点と相違点を明らかにすることが目的である。さらに、存在数量詞と意味的或いは情報的に類似する概数の数量詞を取り上げて、その統語的な分布を調べた。
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口頭発表:研究発表 日本語における概数数量詞の遊離に関して 単独 1999年7月 同志社大学言語大会夏季研究会  
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要旨:本発表は、数量詞遊離という観点から、これまで論じられてこなかった基数数量詞と概数数量詞を区別する必要があることを記述的に明らかにすること、並びに概数数量詞の遊離を認可するメカニズムを探ることを目的としている。まず、第1節で、この2種類の区分が文法性に違いとなってあらわれる例文を紹介し、第2節では、Miyagawa(1989)の統語論的アプローチ(相互C統御条件)とその問題点を論じ、第3節において、Miyagawaの分析を擁護する可能性を示唆したIshii(1998)を検討した。それを踏まえた上で、第1節で取り上げた例文がなぜ理論的に重要であるのかを第4節で論じ、第5節で、相互C統御条件に制限されない数量詞である存在数量詞の生起環境を用いて、概数数量詞の遊離可能性を記述的に確認する作業を行った。第6節で、それまでの議論をまとめた後、第7節において、概数の数量詞遊離に関わるメカニズムについての分析を試みた。
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口頭発表:研究発表 数量詞遊離構文と非対格仮説をめぐって 単独 1995年6月 第32回表現学会全国大会  
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要旨:Perlmutter(1978)以降、いくつかの言語理論において、自動詞が二つのグループ(非対格自動詞と非能核自動詞)に分類されることが広く認められるようになった この区分はヨーロッパの言語や能格型言語の分析を土台として出されたものであるが、日本語でもこの区分の有効性が検証されてきた.代表的な研究としては、Miyagawa(1989)が挙げられる。そのなかで、いわゆる数量詞遊離の現象が非対格と非能格を分類する際の重要なテストとなることが示されている。ところが、非能格と見なされている動詞でも、進行相となると数量詞遊離の現象がみられるようになるという報告が為されている。三原(1994)は進行相の「~ている」を複合動詞と分析することで、GB理論的な説明を試みている。しかし、その分析を採用すれば、従来の枠組みとの整合性に問題を起こすことになる。また片桐(1992)では、この構文を持つ機能に着目した代案が簡単に紹介されているが、それだけで日本語における非対格動詞の存在を否定してしまうのは、余りにも性急な結論といえる。本研究では、Hopper & Thompson(1980)を踏まえ、アスペクトと他動性の観点からデータを吟味することによって、従来主張されてきた統語構造的条件(相互C-コマンド条件)ではなく、より緩やかな意味的な条件を設定することで、その「例外的」現象が説明できることを論じた。
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口頭発表:研究発表 Reciprocals and Non-Clausemate Antecedents :TAGAI and EACH 0THER 共同 1993年11月 日本英語学会 第11回大会  
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要旨:英語のデータを中心に据えて開発された束縛理論は、80年代後半から90年代初めにかけて、多くの言語で検証されるようになった。それに伴い、日本語での検証作業も多くの研究者によってなされ、英語とは対照・比較が行なわれてきた。しかし、相互代名詞と呼ばれてきた、「(お)互い」に関しては、英語におけるeach otherとの関係から、その一側面しか記述されてこなかった。本稿では、英語には見られない「お互い」の持つ特性を記述的な立場から明らかにすることが目的である。(担当部分:共同研究につき本人担当部分抽出不可能)
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口頭発表:研究発表 文法の階層性について 単独 1988年6月 日本比較文化学会 第9回全国大会(同志社大学)  
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要旨:ここ数年来、生成文法研究者たちは、文法を「核」と「周辺部」に分割して考える方法を推進してきたが、「核」と「周辺部」との関係に関してはほとんど論じられていない。「周辺部」の研究にユニークな分析方を提供している動的文法理論の、応用範囲を拡大して「核」と「周辺部」の関係を探ることにより、新しい視点から、文法体系についての一つの説明を試みるのが本発表の趣旨である。
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口頭発表:研究発表 間接疑問文と生成理論 単独 1987年2月 同志社言語学研究会(京都府立ゼミナールハウス)  
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要旨:本発表は、生成理論における補文構造の体系に関する理論(特に間接疑問文の場合)を、動詞の置かれる環境という観点から批判したものである。生成理論では、これまでBrensnan(1970)の提案を採用したChomsky(1973)の句構造規則に従って、多くの補文の研究がなされてきた,しかし、間接疑問文の生起は、主文の動詞の属性によるという立場をとるために各wh-wordsのもつ胤生に関する研究が遅れていることや、捨象された部分の存在することは事実であり、これをどのよいうに処理するかの問題についての私見を公にした。
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口頭発表:講演 生成文法の魅力 -統語構造、UG、カートグラフィーー 単独 2017年2月 同志社ことばの会  
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要旨:本講演の目的は、生成文法の魅力を、立領域の研究者に、次のような点を取り上げながら、わかりやすく紹介することである。1)言語の「知識」、2)脳内文法と統語論、3)UG(普遍文法)、4)統語論の自律性、5)命題領域と談話領域。6)生成文法 vs 認知・機能言語学。また、生成文法に対する誤解を解きながら、このアプローチの有効性と面白さを具体例を用いながら紹介した。
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その他 日本語研究と生成文法 単独 2010年3月 名古屋学院大学総合研究所 「第41回合同研究会」  
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要旨:本発表はこれまでの研究成果を織り交ぜながら日本語研究の面白さと意義について論じることが目的である。その際に研究を3つのレベル(観察、規則、UG)に分け、それぞれのレベルにおける言語現象を取り上げ、理論言語学に貢献するのは生成文法(UG)の指針に基づいて日本語研究であることを論じた。
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その他 日英中比較統語論 単著 2008年10月 中国南開大学 漢語言文化学院(石峰院長)  
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要旨:中国天津市にある南開大学の言語学専攻の大学院生に 日英中国語の3ヶ国語を統語論的観点から比較研究する「楽しさ」について話した。
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その他 提題の「って」について 単著 2007年6月 月刊言語6月号 『月刊言語』 122-123  
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要旨:同誌3月号の特集「会話の文法」で扱われていた「って」の分析を受けて、これまで言及されることのなかった「って」の特性について、赤楚(1998)をもとに、紹介した。口語的に用いられる「って」の「提題」の用法は、トピックマーカーとしての「は」の機能に、文全体に疑問の解釈を要求する特性(Q素性と呼ぶ)が加わったものであることを紹介した。
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 8 学外活動
 8-1 本学以外の機関(公的機関・民間団体等)を通 しての活動
就任年月 退任年月 機関名、役職名等
2012年1月 東京医科歯科大学国際交流センター業績審査委員会評価専門部会委員
2012年4月 2013年3月 大学基準協会評価委員
2013年6月 2014年3月 大学基準協会 用語検討ワーキング・グループ委員
2013年12月 日本比較文化学会 関西支部外部査読委員
2014年6月 2014年7月 大学基準協会 用語検討ワーキング・グループ委員
2017年7月 日本英語学会第18期編集委員
 8-2 学会・学術団体等の活動
種類 就任、受賞等年月 退任年月 内容(学会・団体名、受賞名、役職名等)
受賞 2012年3月 日本英語学会EL研究奨励賞

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